創業者からの挨拶

はじめに

駆け出しの頃、私たちPINECONEは、シンプルに「世界により良いビジネスをつくろう」という想いからスタートしました。

その真意は、「成功」とは誰かの犠牲の上に成り立つべきものではないということ。長期的な視点と誠実な姿勢を貫くこと。そして、相互の信頼があれば、経営者・従業員・地域社会すべてにとって価値を生み出すことができる—私たちはそう信じています。今も変わらず、そう思っています。

事業承継は、非常に繊細なテーマです。会社とは、長年の努力や人とのつながり、そして誇りが積み重なったもの。だからこそ、私たちは「買い手」ではなく「預かる者」として、その会社のこれからを丁寧に引き継ぎたいと考えています。

PINECONEを支える哲学

「誠実さ」や「正直さ」を掲げながらも、経済的な不利や負担が生じた途端にそれを放棄してしまう企業を、私たちはこれまで数多く見てきました。

自らの行動が他者に与える悪影響を傍観しうる者ほど、あらゆる障壁や困難を乗り越えて目標を達成する傾向があるのも事実です。その結果、短期的な利益を優先した取引や、「勝つためには手段を選ばない」という考え方が、多くの場面で受け入れられ、さらには奨励されることすらあります。

確かに、そのような手法で大きな利益を得ることは可能かもしれません。

しかし、それが唯一の道ではありません。

私たちは、資本主義の原則に基づきつつも、思いやりを持ち、その会社「らしさ」を尊重し、持続可能でありながら長期的に優れた成果を実現できると信じています。この哲学こそが、PINECONEの根幹をなしています。

資本を超えた価値の提供

本当に優れた企業は、誰の目から見ても変わらぬ輝きを放ちます。そうした企業が市場に出ると、資本そのものがコモディティ化します。私たちは、単なる資金提供者で終わるつもりはありません。

実際、多くの企業オーナーは、事業承継における「解決策」そのものを、財務的な利益と同等、あるいはそれ以上に重視しています。つまり、慎重で思慮深い承継プロセスを実現し、会社のレガシーを守り、従業員の雇用を維持し、顧客を大切にし、不確実な状況下でも確かな方向性を示すことが重要なのです。

ある大晦日、譲渡企業のオーナーから感謝のメールをいただきました。PINECONEが事業承継を支援したことで、家族の安定と幸福がもたらされ、長年の家業の未来に安心感を得ることができたと綴られていました。そのメールとともに添えられていたのは、自家製のブルーベリージャム。彼女が新たな人生の章を迎え、平穏な時間を手に入れたことを象徴する、ささやかでありながら非常に意味のある甘い贈り物でした。

譲渡時には、オーナーが涙を流しながら、人生の集大成である事業のバトンをPINECONEに託してくれました。私たちはその固い絆と信頼に心を打たれ、大きな意義を感じました。

これまでご一緒してきた経営者の皆さまは、それぞれ異なる想いを抱きながらも、共通して「自分の会社を正しく引き継ぎたい」と願っておられました。私たちを選んでいただいたことを、心より誇りに思っております。

感謝を込めて

服部 周作
アンドリュー・チョウ